平成17年度 第1回茨城県社会教育委員会議

2021年12月20日 15時26分 [茨城県生涯学習審議会]
2005年 9月8日 
平成17年度 第1回茨城県社会教育委員会議
議事要旨


日時 平成17年9月8日(木) 午後1時30分~
場所 茨城県庁舎 11階 共用会議室1108
出席委員
 木村競議長,上野尚美副議長,大山吐志委員,小貫信之委員,小松崎登美子委員,佐藤宏之委員
 塩原慶子委員,島田れい子委員,菅谷政司委員,中川輝夫委員,張替幸一委員,柳田昌秀委員
事務局
 栗田則夫生涯学習課長,大曽根徹課長補佐(総括),他

1 開会
2 教育次長あいさつ
3 委員紹介
4 議長,副議長選出
   議長に木村競委員,副議長に上野尚美委員がそれぞれ選出された。
5 課題 「審議テーマについて」
6  議事概要旨
  審議テーマについて
事務局から審議テーマの案として「現代的な課題に対応する社会教育の在り方について」について説明があった。

※事務局案の設定理由

・平成16年3月に中央教育審議会生涯学習分科会から出された「今後の生涯学習の振興方策について」(審議経過の報告)では,今後重点的に取り組むべき分野として(1)「職業能力の向上」(2)「家庭教育への支援」(3)地域の教育力の向上」(4)「健康対策等高齢者への対応」(5)「地域課題の解決」の5つが示された。

・現在,重点的に取り組むべき分野については県において各施設を実施し努力しているところだが,豊かで活力のある地域社会の形成に向け,まだまだ解決すべき課題は残っており,さらに「団塊の世代」が一斉に退職期を迎え,職場から地域へと生活の場を移すことで諸問題が生じると予想されている。

・そこで今期は,豊かで活力のある地域社会の形成に向け「健康対策等高齢者への対応」「地域課題の解決」等の現代的な課題について,社会教育の中での方策を審議していただきたい。

(佐藤委員)
審議テーマの設定理由の中にあった重点的に取り組むべき分野の「地域課題の解決」には,今どのようなものがあるのか。
(事務局)
地域課題というのは都道府県によっても市町村によっても異なるが,おおよそまとめたものとして資料の「審議経過の報告」にあるように,まちづくりや地域文化の継承・創造・自然環境の保全,地域に根ざした経済活動の活性化の促進,介護・福祉・男女共同参画等,さらに地域教育力の向上も地域課題に含まれる。
(張替委員)
地域課題にかんするここ数年の実態や課題を説明願いたい。
(事務局)
教育委員会としては,家庭教育の充実・支援や自立支援のための地域での取り組み,活力ある地域づくり,少年団体への支援等があげられる。
「西暦2007年問題」の1つである「技術の伝承」,これは社会ばかりではなく地域でも今後課題として出てくる。職場を離れた人々が地域の活動に参加するにはどのような仕組みが必要なのか,活躍する場として何が足りないのかなどを提言していただきたい。
(木村議長)
今回のテーマは「現代的な課題に対応する社会教育の在り方について」ということで「健康対策等高齢者への対応」と「地域課題の解決」を組み合わせた視点から社会教育での方策を審議するということでよろしいか。
委員から承認されテーマが決まった。
(木村議長)
委員の方々の活動紹介も含め,今回の審議テーマに関して日ごろ感じていることについて,発言を願いたい。
(大山委員)
NPO法人「大洗海の大学」で理事として,大洗町の体験活動・ボランティア活動支援センターのコーディネーター,大洗町子どもの居場所づくりのコーディネーターとして,子どもたちにいろいろな活動をさせようと,地域のボランティアの人たちと活動している。
NPOの海の大学では,「教授」として地域の方に活動していただいている。「教授」の方々はご高齢の方が多いが,とても元気であり,子どもたちとの交流をうれしく感じてくれている。そのエネルギーをいただいて我々も活動しており,支えられている状況である。
子どもの居場所は大人の居場所でもある。
(小貫委員)
地元のラジオ局で30数年ほどメディアに携わっている。
定年後どうしたらよいのかという悩みを持っている方々が多く,局へその件に関する相談の手紙をいただいている。
(小松崎委員)
昨年度から地元で住民の居場所づくりの活動をすすめており,元自宅を改装し,「たまり場・たろう」を開設した。地域住民に開放をしており,第1回目は「団塊の世代」に声をかけ談話会を開いた。団塊ジュニアも一緒に参加した。この中にはニートとかフリーターの立場の人も含まれていたが,これらの世代も交えて話が延々と続いた。
退職後にビジネスとして何かやりたい,しかも地域に還元できる仕事を探しているという人はたくさんいる。
地域での福祉活動を通して,まず,地域にふれあいの場所づくりが必要ではないかと感じている。
筑西市での自発的な福祉活動として,「年を重ねた方も,また何かしら障害を抱えた方にも家に閉じこもらずにまちを楽しもう」と,電動カーとでヘルスロードを走る外出支援策「タウン・モビリティ」を企画し,実施した。
(佐藤委員)
市民合唱団にプロオーケストラを加えて,地域で音楽活動をすすめている。地域で活動している合唱団のCDが全国各地,そして世界に広がっている。
合唱団に若い人も参加するように働きかけている。音楽活動は,音楽療法にもなり,軽い自閉症や引きこもりなどはこれによって治る。
(柳田委員)
県民へのスポーツの振興,競技力の向上ということを目指して活動している。
住民主体による総合型地域スポーツクラブを推進しているが,これは,子どもから老人までを対象に地域にスポーツを広めていって人づくりをしていこうというものである。
(張替委員)
アウトドアクラブでは,昨年度からファミリーサイクリング「サイクル&トレイン」という世代を超えた交流の企画を県内で実施している。今年も5月に募集したところ,ほぼ1週間で募集数に達した。
私自身茨城で育っているが,今まで茨城のよさが分からなかった。皆様のいろいろな活動を通して茨城のよさが集大成としてまとめられればよいのではないかと考えている。
情報をどのように得ているのか。まずインターネットで検索すると思うが,もっと身近に情報を交換できる場や掲示できるようなものがあるとよいと考える。
(中川委員)
私は主に子どもを対象に活動しているが,子どもを見れば大人が分かる,大人を見れば子どもが分かるということを実感している。
私自身,大人が子どもに見本を見せなければいけないと考え実行している。
団塊の世代が子育てで成功したこと失敗したことをみんなの前で堂々と話せるような,大人の居場所が必要であると考える。自分の体験を通して語れる場の設置を提言したい。
(菅谷委員)
ミュージアムパーク茨城県自然博物館の建設準備と開館後の運営に携わった。その際,ボランティアの協力をいただいたが,これが博物館活動にとって大変大きな支えとなった。その中でも,定年で第一線を退かれた方々の活動は素晴らしいものであった。
高校生の世代にも多くの社会的問題が生じているが,高校生にはボランティア活動などの世代間交流が必要だと感じている。親と自分とのかかわりだけでなく,社会における自分の役割を理解するため,各世代が一緒になれるような場を設定できるとよい。
(島田委員)
教頭・校長は地域の人と関わる機会が多い。学校の活動に協力してくれる人や地域の行事の企画・運営等で主に活動しているのは70歳ぐらいの方々で,50~60歳ぐらいの方の参加は実際のところあまりない。
今の70代の方は,自分で活動を起こし,毎日のスケジュールを細かく決めて元気に活動している傾向がある。このような人たちに「高齢者」という呼び方は適しているのだろうかとも考える。
(塩原委員)
まちづくりの勉強をすすめている。日立市はコミュニティ組織がしっかりしているが,私のまちは,町内単位での動きはなく,自治会を集めただけで,組織として一つの意志に統一するということが無いため,地域課題に対して呼びかけたときに反応がにぶい。市民が動かないところは地域の活力は無くなっていく。
観光案内ボランティアとして60代後半から70代の方が自主グループを立ち上げたが,組織運営上での問題等が生じた。そのグループに会社を 辞めたばかりの方が何人か加わると,その方々が中心になってうまくグループを組織化し,諸問題を解決したいという例がある。
県北の地域情報のサイトを運営しているが,インターネットを見られる人と見られない人がおり,インターネットだけでなく情報誌などを併せて作っていかないとうまく情報が伝わらない。
退職した人は,これから何をしようかと考え,まず各生涯学習センター巡りをする。これというものに出会うまでに多くの時間がかかる。そのような状況の時に必要としている人に向けて,適した情報が届けられるとよいのではないかと考える。
(上野副議長)
大学の職場においては,団塊の世代の方々は役職等を持って活躍し,元気な方が多い。退職の時期がずれているということで他の職場の状況とは違っている。
地域のかかわりとしては,国際交流関連で地域の方に留学生の世話をしていただいている。一部の方には浸透しているが,このような活動に今後協力したいと考えている方に協力を求める上で工夫できるよい具体策があればよいと考えているところである。
居住している地域に関しては,子どもの学校等の関係で,自分より若い世代の父母の方々との交流がある。若い世代の親は,自分の権利のみをはっきりと主張する傾向がある。子ども会の役員として活動している中でも,各親から様々な意見や主張を聞く。
団塊の世代の方々に是非協力いただきたいものが,子どもたちの面倒をみる児童クラブのようなものである。近くに祖父母や親戚,知り合い等子どもを見てもらえる方がいない者にとっては,心強い存在となる。そのような思いを抱えているお父さんお母さんと団塊の世代の方々とのパイプ役になれればよいと考えている。
(木村議長)
子ども会に参加すると,家庭の在り方,仕事の在り方と子ども会の活動がずれていると感じるところがある。そのところがうまく合えば,子ども会活動への参加者も増えてくるのではないかと考えている。
高齢者への対応として,高齢者だけを切り離して考えるのではなく,世代を超えてつながりを考えていく必要がある。
年をとる程個人差が大きくなってくる。考え方,生活,健康状態,経済状態,など違いが出てくる。この個人の違いに対して社会教育ではどのように対応したらよいのか。難しい問題ではあるが考えなければならない。
団塊の世代というと男性に目が向きがちだが,専業主婦の数が多いのも団塊の世代であるという調査がある。専業主婦も含めた女性にも目を向ける必要がある。
(木村議長)
本日は今後審議するテーマについて意見をいただいたが,地域課題を解決する上での社会教育の担い手として団塊の世代について焦点が絞られてきたのかと思う。
(事務局)
今後の進め方や具体的な提案等があれば事務局へ送ってほしい。
(木村議長)
今後の進め方については,今回の意見等を参考にし事務局とつめていく。

7 閉会
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