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平成16年度 第2回茨城県生涯学習審議会

2021年12月20日 15時26分 [茨城県生涯学習審議会]
2005年2月14日
平成16年度 第2回茨城県生涯学習審議会
第7期 第2回茨城県生涯学習審議会
議事要旨


・日時 平成17年2月14日(月)  午前10時~
・場所 茨城県三の丸庁舎3階大講座室
・出席委員
 幡谷浩史会長,野口不二子副委員長,青山節子委員,飯村清美委員,池田幸也委員,磯良史委員
 大久保博之,岡野文昭委員,神尾圭太郎委員,神田真由美委員,神戸礼子委員,米納惇委員
 立原克彦委員,蓮見孝委員,藤田絹代委員,藤原佳志子委員,森田清明委員
・事務局
 助川幹夫生涯学習課長,熊田勝也課長補佐,他

1 開会
2 生涯学習課長挨拶
3 議事
 (1)第1回茨城県生涯学習審議会を振り返って
 (2)生涯学習関係事業に係る現状と課題について
 (3)全国生涯学習フェスティバルについて
4 議事概要

(1)第1回茨城県生涯学習審議会を振り返って

 事務局から,資料をもとに、以下の前回の会議内容について説明があった。
   ・ 新茨城県生涯学習推進計画策定について
   ・ 全国生涯学習フェスティバルについて
   ・ 審議会・事業の評価について
   ・ 地域づくり、世代間交流 等
   ・ 生涯学習の定義
   ・ 生涯学習社会の定義
   ・ 市町村合併等について
   ・ その他
(議長)
今の事務局の説明について、質問や意見があれば発言をいただきたい。
(委員)
県のほうは,4つの生涯学習センターがあり,更に今度は県北センターというように,どんどん推進されているのだが市町村の生涯学習推進体制というのは本当にうまくいっているのだろうか。
生涯学習課事業概要に各市町村のいろいろなデータが載っているわけだが,女性学級・講座、成人学級・講座、高齢者教室のデータを見ると全然やっていないところもある。
 これを見ると各市町村の推進体制は、やっているところとやっていないところばらばらで、県としてもう少し指導・教育をしなくてはならないのではないかと考える。
地域づくりの生涯学習ということを考えた場合に、県で行っている,県民大学の講座、エンジョイ・サタデーや,高校生のヤングボランティアといったいろいろな事業をもう少し減らしてでも、市町村の指導や協力支援体制を強化していかなければならないのではないか。例えば出前講座をやるとか ,弱いところに対しては組織作りのための講座を特別に開くとかといったことが必要だと考える。
いのかを比較検討する必要があるのではないか,比較検討したものを次回にでもご説明願いたい。
(議長)
生涯学習センターがない県とある県でどうなのかという質問があった。茨城県にはすでに4か所あって,また県北にもう1か所ということでスタートしようとしているわけだが ,これについて,事務局の方で説明願いたい。
(事務局)
本県には現在1つの生涯学習センターがあるが,4つの生涯学習センターを持っているのはあと1県ある。県北を含めれば5か所になるので,そういう意味では全国的には希な生涯学習を推進する県といえる。
第1期の生涯学習審議会において,学習圏構想が示された。市町村においては小学校区,中学校区の学習圏があり,そこでは公民館なり学校なりを中心にして生涯学習を推進してもらい ,県の方は,もう少し広域的な形で生涯学習を推進するというようなことから,学習圏構想が生まれてきた。それに基づいて県内を5つの地区に分けて今までに4か所の生涯学習センターを設けてきた。
生涯学習を推進するにあたって地域づくりという観点から見れば、確かに地域における活動というのは非常に重要であるが,人と人とのネットワークを作るためにはやはりある程度広域的な活動も必要だろうということで ,県では広域的な活動をある程度視野におきながら,しかも市町村というか地区単位での指導的な立場に立てるような方々を養成し,そういう方々に育っていただき ,そしてそれを地域に持ち帰ってやっていただきたい,という意図で生涯学習センターを作ってきた。
そして,県では,弘道館アカデミーという制度を設けて,広範な分野を長期にわたり学習した方に悠々賞を,1つの分野をより高度に学び極めた方に游藝賞を ,学んだ成果を地域社会のために生かした方に弘道賞を,学長である知事から毎年授与しているところである。
(議長)
今事務局から説明をいただいた中での質問や意見があれば承りたい。
(委員)
資料として,児童館の数のデータを取り扱っていただけたらと思う。県立の児童館が,茨城県ではたった1つである。
公民館等の社会教育施設において,市民というか県民の声が、その事業展開や施設の活用日もっともっと反映されるべきではないかと思う。
(委員)
地方の行政ではまだまだ,これはこの課の担当ではないとかということがある。そういうことを1つにまとめていって大きな事業にしていくのが,生涯学習推進計画であり ,いろいろな分野でやっていることを生涯学習としてまとめていかなければならない。
 
(2)生涯学習関係事業に係る現状と課題について
事務局から,資料をもとに「生涯学習関係事業に係る現状と課題について」説明があった。
(議長)
ただ今事務局から説明いただいたことについて,委員の皆さん方からご発言,ご質問等いただきたい。
(委員)
現在議論されている生涯学習というのは,社会教育の範疇から全然出ていないのではないかと思う。生涯学習とは何かというと,もっともっと幅広いものであって、本人が意識しなくても ,結果的に学習になったものはそれはもう学習と言える。だからより広い学習というのを対象にしていかなければならないと思う。
例えば,個人がコツコツやっている学習というものに対する視点が欠けているように感じる。このように社会と特に関わりなく勉強できる分野もあるし、そういう人も非常に多いと思う。こういった人たちをどうやって救済するのか ,支援していくのかということを考えないと,本当の生涯教育政策にならないのではないかと思う。
先程も1つの例として弘道館アカデミーの話が出たけれども,これは各種機関の連携をしたものとして評価できるかもしれないけれども,結局のところ個人の活動というものを無視してしまっている例なのではないかと思う。そういうものを何とかしていかないと ,今後の生涯学習の底上げにならないのではないか。個人がやっている生涯学習について何らかの対応策を考えていきたいと思っている。
(委員)
人材をいかに活用するかが大切だし,生かしてあげることが,その人の生きがいにつながると思う。
人材をいかに活用するかについてのネットワークについて、生涯学習推進計画には,はっきりと書かれていないのではないかと思う。
(委員)
資料を見ると,教育財団への事業委託というのが結構多いように見える。委託先をもっと幅広くすることが生涯学習支援になるし,生涯学習で学んできた人たちの活躍の場の提供になるということも視点に入れて ,委託の仕方と言うか,門戸を広げると言うか,そのような形での支援があってよいと思う。
(委員)
評価の一部に関わるのだが,例えば、生涯学習センターを利用した方の数値,これも全体的に見れば大事だけれども,内容的に,どのような意味のあるまたは成果のある事業が行われたのか ,数値のデータと共に,極端に言えば人数は少ないのだけれどもまさに学習した成果が生かされた,というようなデータを提示願いたい。
学習圏構想の現状について是非教えてもらいたい。
(事務局
センターの利用者のデータだけでなく,実際にどのような成果としてその後につながっていったかというお尋ねだが,その点については整理した上で次回にでもご説明させていただきたい。
学習圏構想については,生涯学習事業概要のところにも記載してあるが,それぞれの地区生涯学習センターがカバーしているエリアの市町村の方々と、広域学習圏推進協議会という会議の場を設けている。そうした中で ,県からもいろいろな生涯学習に関する情報を市町村に提供したり,あるいは更に近隣の市町村同士でいろいろな事業を行っているものを情報交換しあいながら ,それぞれの市町村の事業等に活かしていただくという観点で,各ブロック単位で連携をとりながら事業を進めている。
(委員)
生涯学習センターの年間利用者数を見ると,県南生涯学習センターが断然多いのだが、その理由が聞きたい。
(事務局)
県南生涯学習センターの場所は,土浦駅西口を出てすぐのイトーヨーカドー等の入っている建物の中の5,6階に入っている。当初より,他のセンターと比べて都市型の生涯センターを念頭に置いた整備を行った。そういう点で ,例えば通勤・通学帰りの学生あるいは社会人の方々等も、ある程度気安く,立ち寄りやすいような環境ができているということがある。
事業的なところで見ると,都市型のセンターという関係で、例えば勤め帰りの方等が気軽に立ち寄れるような事業として,アフターファイブサロンという夕方から夜にかけての講座も設けているところである。そういう事業面で見ても ,ある程度他のセンターに比べて交通の便等あもまり心配なく,特に交通機関利用の方については気軽に立ち寄れるような環境整備,更には事業の組み立てをしているのではないかと思う。
ショッピング施設の上にあるということ等もあり,例えば図書コーナー,あるいは簡単な学習ができるようなコーナーといったところを設けてあるので ,利用者の方のそういう部分的なところの利用の面だけでもかなり他の施設よりも気軽に立ち寄りやすいような施設になっている。
(委員)
そうすると,いくつかの要因がその地区の方たちの生涯学習を進めていく上で非常にプラスにっているということである。今後施設を整備していく上で ,ここの立地条件が非常に参考になるのではないかと思う。
働いている世代の人たちがいろいろな事業等に参加していないのではないかというような現状があるが,県南センターの例を見ると,勤務が終わってからちょっと気軽に立ち寄れる ,それから図書コーナーをちょっと利用してそこで勉強して帰れるというように,勤労者にとって利点があるということは,非常に参考になるのではないかと思う。
(委員)
施設を作るとか,指導者がいないとか,講座がないといったことではなく個人が自発的な意識づくりを行っていくのが生涯学習の基本だと思う。
せっかく生涯学習推進計画とか県の総合計画を立てても,それを一県民にどのように啓発をしてどのように周知徹底を図るかということも大変大事だと思う。
(委員)
外に出られるチャンスがあり,それを利用できる人間は、たくさんチャンスがあって,いろいろな事業に参加することができる。でも,引きこもりや不登校の子どもたちは ,そのような事業に参加することができない。公共的な大きな事業よりも,そのような、本当に困っている人たちに目を向けていくことも大切だと思う。
(委員)
大事なのは茨城という地域に一番合った,皆さんが納得できるようなあるいはより多くの方が参加できるような仕掛けを考えていくということだと思う。そういう意味では地域づくりにどのように関わっているのかというところが一番大事だと思う。
高齢化が進展していて,2015年には65歳以上が4分の1になるというようなデータが出ているわけで,そういうリタイヤした人たちが,それからもう一つのライフスパンを通じて ,どのようにして充実した生涯を送れるかというところが,まず一つ非常に大事なことなのではないかと思う。
「真壁のひなまつり」のような成功事例が,茨城の中にも最近かなり出てきている。そういうものにスポットを当てて,とてもがんばってうまくやっている事例を評価するというか ,そういうものを皆で学びあうというようなそういう仕掛けが大事なのではないかと思う。
生涯学習センターにおいては,身近な人がすごく素敵なことをしているというようなことを学び合うプログラムをもっともっと増やしていくほうが良いと思う。
英国は市街地の活性化プログラムがとてもうまくいっている。それは,全部を中心市街地に集めて,そこに行けば何でも間に合うようにしようというプログラムである。県南生涯学習センターは都市型で,要するに皆が通過地点でいろいろと施設を活用できるという意味で ,中心市街地の非常に良い一つの事例ではないかと思う。
今まで健康というのはフィジカルアクティビティと言うか,体の状態が健康かどうかという医療的な視点で主に見られてきたが,もう一つソーシャルコミュニケーションという人と人とのふれあいがあって健康になる,という視点があると思う。
一人一人の人を体の健康だけでなく,どうやってもっと人のいるところに導いていくか,人と人とがふれあって語りあうだけで当然楽しくなる学習体験を ,どうやって味わってもらうか,というような方策が必要だと思う。
もう一つはライフスパンマネージメント,一生をどのようにその人が自分なりにマネージメントしようという気になるか,その軸をどうやって作っていくかということが生涯学習とカウンセリングの役割だと思う。
一番大事で効率的なのは、あらゆる場所を学習の場に変えていくということにあると思う。皆さんが生活している空間がすべて学習の場なのだ、というふうに置き換えていくということがとても大事なことだ。
もう一つは学習の場を提供するという意味で、ちょっと学びたいという時に、その場がとても学びやすくなっているというように,例えば1コマ1時間で終わらないといけないなどというのではなくて ,自分の身近ないろいろなところにそういう場所が点在しているということがあってもいいし,学校とか公民館とかとにかく何でも良いのだが,気楽に入って勉強できるということが必要だと思う。
行政職員とか事業者の意識というのが大事なのだなということを感じる。真壁がすごくうまくいっているというのは,真壁の町の人と行政職員が本当に一体となってやっているからだと思う。
イギリスでは地域カウンスルの職員の中にそういうプロデューサーの方がたくさんいらっしゃって,どんどんそういうプログラムを編んでいく。
生涯学習センターの役割というのは,県,市町村含めてトータルでダブルマネージメントをする責任を負っている人たちが,これから生涯学習が必要な社会をどのようにしていくのかというイメージーを確認しあうようなプログラムをもっともっと増やしていくことかなと思う。
縦割り行政をどのようにプロジェクト型に変えていくかというのも大きな課題だと思う。
(委員)
開かれた学校ということがもう長年言われてるが,開かれた学校というのは,外から,地域の人たちが,学校の門を開いたよ,生徒たちに出て来てよというふうに逆に理解して欲しい。
個人個人の,活力ある,感性豊かなというのが生涯学習の目的であれば,我々審議会も,何か生涯学習を集合的にまたは施設的にエリア的に捉えすげていたかなという反省的な感じを持っている。
地域の中で,行政の世話にもならずそういう媒体も使わないで、自分なりに,という人たちがたくさんいるはずなのだが,私たち行政側がそうした人たちの存在といったものを尊重し ,理解する必要がある。また,そういう人たちが地域の中のキーパーソンになるわけで,そういう人たちのハートというか,情動的なものを動かすために ,行政の方たち,自治体の担当の方々が,もっと一般地域の中に踏み出してもらわないと,いつまでもデスクワークの中で生涯学習を考えているというだけでは何も生まれない感じがする。
(委員)
学習など,自分からいろいろやることができる方は,もうその方にお任せしてかまわないと思う。けれども,今出られない方,そういう方にきっかけを与えるのが大切だと思う。
生涯学習は,学習するだけではなくて,かなりの方が人とのふれあいの場を求めているのではないかという気がする。そういうふれあいの場を設けるような環境があっても良いのではないのかと思う。
 
(3)全国生涯学習フェスティバルについて
事務局から、資料をもとに「全国生涯学習フェスティバルについて」説明があった。
(委員)
全国生涯学習フェスティバルが終わった後の財産が何かといえば人だと思う。だから是非,何人集まったから良かったとか,損をどれだけしたかということよりも ,どれだけの人がリーダーになったのかということ、どれだけネットワークができたかということが,そのイベントの成功の鍵だと思う。この「まなびピア」については ,是非「人を育てる」というポイントははずさずにやっていただきたい。
生涯学習は,勝手に個人がやったり地域がやるものだから,県が宣伝をあまりやる必要はないと思う。県は政策立案,政策の誘導をするわけで,実際の生涯学習は市町村が基本的にはやるべきだと思う。県と市町村が ,上下関係ではなく,イコールパートナーとして存在すべきだと思う。
市町村ができないこともあるだろうから,例えば市町村の生涯学習のリーダーを育てるセミナーとか,そういう全県的なことについては県がやるべきで ,役割をきちんと明確にしてやっていただければと思う。
(委員)
全国的なイベントで何が一番大変かというと,人を集めることである。それと,無関心になってしまう人の目をいかに引くか,無関心にならずに関心を持っていただくことが大変である。こういうものを生涯学習フェスティバル等でも充分考えていただきたい。
(議長)
終わりに副会長にご発言をいただきたい。
(副会長)
やっと14年間訴えてきた念願がかない,県北の地に生涯学習センターを作っていただけることになった。作るにあたっては,いろいろな壁があったり ,いろいろな条件があったりするけれども,県と市町村とここに市民・県民というものをしっかり入れて,そういうことの総合の中で完成させていただきたい。どうか市民の誇れる一つの空間を作っていただきたい。
平成16年度 第2回茨城県生涯学習審議会 2021-12-20 [茨城県生涯学習審議会]
平成16年度 第2回茨城県生涯学習審議会
2021-12-20 [茨城県生涯学習審議会]